人物パース
皆さん現在手元に財布がありますか。
もし財布があったら試しに紙幣を何枚か取り出してみてください。
現在日本で一般に流通している紙幣は一万円札、五千円札、それに千円札の三種類です。
紙幣の表面に描かれているのはいずれも人物です。
日本に限らず、世界各国で使われている様々な紙幣のデザインの、その大半が人物です。
なぜ紙幣のデザインによく人物が用いられるのか、皆さんは不思議に思ったことはありませんか。
(ちなみに西暦二千年を期して二千円札が発行されましたが、その二千円札のデザインは人物ではありませんでした。
その二千円札、現在ではすっかり目にすることがなくなりました。
)紙幣のデザインに人物が使われる理由は皆さんの多くがご存知だと思いますが、その理由として最も大きなものはやはり紙幣の偽造防止だと言えます。
人物はその表情から、しわや彫り等といった部分が実に細かく多様で、同じものを描くのが非常に難しいとされています。
考えてみれば一卵性双生児、所謂双子などの例を除いて、世界には自分と全く同じ顔をした人などまずいないはずです。
それゆえ人の顔というのは非常に個性的で、特徴があり、また複雑な世界を織り成しているのです。
したがって偽造防止が鍵となる紙幣のデザインとして、世界中で用いられているのです。
自分のであれ、他人のであれ、人の顔は私たちが普段最もよく目にするものの一つです。
他の人に最初に会うとき、一番最初に皆さんの関心をひきつけるのがその人の顔でしょう。
それ故皆さん自身も自分の顔に最も気を配るはずです。
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人物パースの効果を高める
人間のそうした習性は、昔も今も全く変わっていないと思います。
これほどまでに顔にこだわってお話をしてきました。
ここでは建築パースの話をしているのに何故いきなり人の顔の話になるのかと皆さんのなかには怪訝に思われる方もいらっしゃるでしょうが、実はパースイコール建築パースではありません。
勿論パースとなると、建築設計や土木設計にパースが作成され、用いられるケースが最も一般的ではありますが、パースの技術は何も建築パースに限ったことではありません。
実は人物を描くにもこのパースが用いられます。
これは人物パースとも呼ばれます。
この人物パースですが、先ほどの紙幣の話を持ち出すまでもなく、実はパースで人物を描くのも非常に難しく複雑なテクニックを要するのです。
ここでは人物パースについて紹介していきます。
人物パースは、パースにスケール感やリアル感を与えたいといったケースで描かれます。
かなり熟練した人でも人物を描くことはとても難しいようです。
従って例えば雑誌や広告等の人物写真等をトレースして、それを情景に使用するのもいい方法だと言えます。
ここでは人物パース作成のテクニック、技法に関して簡単に紹介しますが、技術的な話ばかりしても皆さんにはわかりにくいかと思いますので、できるだけ皆さんにもわかりやすくなるように、皆さんがイメージを描けるように説明していきたいと思います。
まずは人物の各部の大きさ、尺度を測り、把握しておきます。
男女いずれにせよ頭を基準にして、各部の長さや感覚を覚えておきます。
またパースを作成するときには、人物は決して平面的にならないように、立体的に前後関係を考えながら描いてゆきます。
またパースに更なるリアリティを持たせたければ、男女のみならず大人と子供の両方を描いてもいいでしょう。
そのときは子供を大体大人の半分ぐらいの身長にすると見栄えが良くなり、大人を先に配置してから子供を配置するとイメージがしやすくなると思います。
またパースに人物を描くときには、人物の足元に影をつけることも忘れないでください。
影をつけることでその人物の質感、リアリティがぐっと高まります。
また人物からはちょっと離れますが、人物のそばにある車や街路樹等の情景も人物に同じくリアル感を与える効果があります。
このように人物そのもの以外で、人物パースの効果を高めるアクセサリー的な存在のものが他にもありますので、もし皆さんが実際にパースに関わる仕事をなさっているのなら、いろいろと観察してもいいのではないでしょうか。